淡。

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『あっ』 美羽はマフラーを巻いて、病院の一階で寒さを我慢し待っていてくれた。少し強い風が吹くだけで、飛ばされるんじゃないかと思うほどここから見ると細い。 『美羽!』 俺は駆け付けると、美羽は笑顔で迎えてくれた。 病室に入って、美羽がベッドに入り直した。 『今日点滴なんだな?』 『ああ、はい』 すっと腕を一瞬上げてからまた下げた。――美羽の腕には今まで何本の針が刺されたんだろ。今までのいろんなことで視点が変わったのか、涼しい顔して、外を眺める美羽がすごく悲しそうに見えた。ジャケットのポケットに手を入れて、椅子に座る。 『ごめんなさい、急に電話して気を遣わせちゃって』 『いや、全然』
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