第3走 再会

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ていうか、なんか引っ掛かる。この女、何処かでみた覚えがある。 しかし、人の名前はなかなか思い出せないものである。 宮木「ちぇ………。もういいや。後で思い出すだろ。」 ?「皆さん、おはようございます。」 奥の扉から多分試験官であろう、スーツ姿の男が出てきた。 ?「ようこそ、シルバーブローへ。今回の採用試験の試験官になりました、田城と申します。」 宮木(……なんかコイツも腹立つな。人を見下したような目で見やがって。) 田城(フン。今回もヘタレみたいな連中が集まってきやがったな。私も毎年こんな連中と顔合わせたくないんだかな。) 宮木の視線に気付いた田城は宮木をにらみつけた。 田城「君は初対面の人間をにらむのが当たり前なのかね。」 宮木「すいませんね。目つきの悪さは生まれつきなので。」 さらに不機嫌そうになった田城は宮木の言葉を無視し、淡々と話していった。 田城「今回集まったのは12人。この中で合格し、正社員になれるのは最高5人までです。」 パンフに書かれてなかった人数制限に周りが騒ぎだした。 男「何ぃ!5人だとぉ!」 女「ノルマをクリアした人を採用するんじゃなかったの!?」 男「人数制限なんか聞いてないぞ!」 田城「不満なら帰りたまえ。」ザワザワしていた会議室が静まった。 田城「いっておきますが、シルバーブローにはあなた方のような人材が山ほどいるのですよ。したがって不快だとは思いでしょうが、人数を制限いたしました。」 田城(正直、てめぇらの詳細調査書書くのがめんどくせぇからだがな。)
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