序章

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「これより定例会合を行う。構成社員一同、気を付けぃ!」    鋭く副総統が号令をかけ、円陣を組んでいた男達は皆、直立不動の体制を取る。  その一人一人に目を配りKKK総統は満足そうに軽く頷いた。   「この忙しい時期にも関わらず、全員に集まって貰えた様だな」   さて、とコホンと総統は軽く咳払いをした。   「先週は……忌むべき!地獄の!試練と言う名の中間試験!が有ったが、皆首尾は上々だっただろうか?」   はいっ、と手を上げたのは社員10だ。   「総統の御指南のお蔭で、僕……苦手な古文で80点が取れました」   彼に続く様に、俺も。僕もだ!と言う主張が続く。   「前回の会合内容……源氏物語は萌えラノベだと思え、という提案ですね。総統の発想は何時もながらお見事でした」   副総統の言葉に、社員は全員深く頷いた。 「うむ……さすがは諸君だ。古典に即座に萌えられるスキルは並々ならぬイマジネーションが必要だからな」   因みに総統が言ったイマジネーション、この場合は妄想力と訳すべきであろうか。   前回の会合で、彼はお得意の身振り手振りを含めてこう演説をうったのだ。
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