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「ほ、本当に馬鹿だ……」
「自慢じゃないが俺達非モテ男子は大抵スポーツが出来ない、文科系の集団だってのに」
「全教科って、あの我々の一部が最も得意とする保健体育のテストもか?」
ざわざわと囀る社員達。
そんな彼等を目の前にしながら、悲しげにおずおずと手を挙げたのは……。
「そ、総統閣下っ!?」
「諸君、スマン。馬鹿野郎は……私なのだっ!」
力無く肩を落とす総統。
その隣で副総統も俯いている。
「私の責任です、閣下。私が無責任に山を張ったばかりに……それが見事に、全教科、ことごとく外れたばっかりにっ!」
「ふっ、馬鹿を言うな。私の怠慢が悪いのだ。テスト前日にふと源氏物語・全巻を再読したくなった私が悪いのだっ!」
「ま、まさか閣下はそんな暴挙をっ!?」
「あぁそうさナンバー13番!徹夜どころか登校寸前まで読み耽っちまう有様っ!それがテスト中毎晩だ……」
後は推して知るべし……。
社員一同は源氏物語の長さを思い出してため息を吐いた。
あぁ、紫式部殿。
貴殿の作品があんな大長編でなければ!
そうだったら我等の総統は……なんとかなった、かもしれない?
「あれ、でも確か副総統は今回のテストも学年首位でしたよね?山を外したのに?」
社員11が可愛らしく小首を傾げた。
副総統は気まずそうに、頭巾の上から頭を掻く。
「あ~、うんナンバー11君。確かに山を外しはしたんだが、元々私は全教科全範囲内容は暗記していたので……あまり痛手は無かったんだよ」
おおおっ、と社員一同は感嘆にどよめく。
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