オモイデザクラ～記憶の片隅から～

第一章 退屈な日々

「…であるからしてここの答えはx＝１４となります。」

数学の授業だろうか、壇上では猫族の女教師が訳の分からない数字の羅列を書き綴り、言葉とは思えない発言を大量にしている。

「はぁ…退屈ぅ…。」

教室の窓を見ながら先生に聞こえない程度にため息と同時に言葉を吐き出した。

あの頃の僕は学校が嫌で嫌でしょうがなかった。
別に虐められていた訳でもなく、ただ単に学校という規則だらけの箱に詰め込まれ、閉じ込められるのが嫌で嫌でしょうがなかった。
ましてや僕は人付き合いがものすごく苦手で友達など数えるほどしかいなかった。
成績に関しても下から数えたほうが早く、テストの点数なんて一桁だらけで二桁など行った日には世界は自分が支配した的な優越感に浸っている。

自己紹介が遅れたね。
僕の名前は朝比奈悠樹。
身長163ｃｍの体重48ｋｇ、ちょっと小柄な体系の犬系獣人。
好きなことはギターを弾くことで、嫌いなものはさっきから言っている通りもちろん学校と集団行動。
彼女はいない。というか恋愛に対して面倒くさいと思っていてこれっぽっちも興味がない。
まぁ興味があっても人付き合いが嫌いで話をしようとしない僕なんかに話しかける女子はいないと思うけど…。