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…フフフ…あの角を曲がったらガツンと言ってやるぜ…
…ほーら曲がった。オレの予想通りだ。じゃああの電柱越えたら行くぜ…
…フッ…越えたか。じゃあそろそろ声かけちゃっていいかな?スーパーのとこまで行ったらぜってぇー決める。
…はいっ!とーちゃくってね…もういくよ?いいよね?声かけちゃうよ?あのアパートの階段のとこでいっちゃうよ?
…おっとっと。危ない危ない。こんな簡単に声かけちゃつまらないだろ?あのドアまで行ったらやるよ。
…さぁーて十分待ったし声かけるか?フフフ…待ってろよマイハニー
バタンッ…ガチャッ…
ドアが閉まった。女性は中に入ってしまった。
「オィオィ…オレを置いてそれはないだろ?待たされて怒ってんのか?かわいいなチクショウ!」
男はドアノブに手をかけた。
ガチャッ…ガチャッ…ガチャガチャッ…
開かない。鍵が閉まっている。
「そんなに怒ることないのに!!」
男は悪態をついてしぶしぶ帰っていった。
女性のアパートの表札をチラッと見る。
(へぇあの子ユキって言うんだ。ユキ、じゃあな!またくるぜ!)
男の顔がニヤけた。
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