妄想コンチェルト

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階段を降り、アパートから出ると警察官がいた。 「お前を現行犯で逮捕する!」 「なんだって!?オ、オ、オレが何をしたっていうんだ?」 「ここのアパートの女性からストーカーがいると通報があった!」 …あいつかっ!くそっ!逆恨みしやがって! 「そういうわけだ。話は交番で聞こうか…。」 「ちょっ、ちょっと待ってくれ!オレには死にそうになってる妹が…」 ダッ!男は警察官の不意をついて逃げ出した。 …自慢じゃないがオレは足には自信がある。そんなひょろい足でオレに追いつけるかな? ハァハァ…なかなか…ついて…くるな…無駄なことを… ハァハァ…やる…じゃ…ないか…先に…キブアップ…した方が…いいんじゃ…ないか? ハァハァ……警官の…寿命を…縮める…ハァハァ…ことに…な…るぜ…? ハァハァ………もうダメ… 男は捕まった。100㍍程逃げただけだった。 「無駄な抵抗をするんじゃない!罪が増えるぞ!わかったか?」 「……ハァハァ…。」 男はものすごく苦しそうだ。 「立て!」 「…ハァハァ……ちょっ……ムリ……です…ハァハァ…」 「しょうがないヤツだな!ほらっ手をかせ。」 警察官に手を引かれ、男はやっと立ち上がった。
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