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※※※
家から外に出た読湖は、もう学校に向かっていると思いきや、まだ門の前にいた。
門柱に寄りかかりながら、怒りもあらわにブツブツと文句を言っている。
「パパったらいい加減にしてよね。人の話は聞かないし。大体、あの長ったらしくて鬱陶しい髪とか、しつこい性格からして人の神経逆撫でしてるわ。あぁームカツクー!!」
言ってる内にどんどんイライラしてきたようだ。
ブツブツとは言えないレベルまで、というか大声で喚いている。
その、普通なら間違いなくお近づきになりたくないであろう読湖に向かって、女の子が歩いてきた。
女の子は明るい栗色の髪を、肩にふれないくらいのボブにしている。
手入れのたまものか、キューティクルが朝日できらきらと光っていた。
背丈は読湖より小さく、150cmほど。
読湖と同じ制服姿だが、小柄な分可愛らしさが引き立ってよく似合う。
さらにくりっとした大きい目は澄んでいて、愛らしい。
小動物タイプと言う感じか。
それだけ見れば清楚な美少女なのだが、表情全体がなんとも間延びしていて、ほんわか。
朝のせいか、はたまた元からか、目も眠そうにトロンとしている。
庇護欲をかきたてる様子は、男子の心を揺さぶりまくっているだろう。
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