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やや狭めな道が続く住宅街の道を、二人はゆっくりと歩く。
「それで~、よみちゃん。またお父さんと喧嘩したの?」
琴美の言葉に読湖の顔がピクッとひきつる。
「そう。そうなの。またなのよ。」
怒りのボルテージがじわじわと上がり、声も大きくなっていく。
「まぁた私の名前を勝手に変えて呼ぶし。その癖自分はお父さんと呼べなんてうるさいし!パパはどうしてああもしつこいの!?」
どんどん大きくなってきて、いよいよ近所迷惑になりそうな声量になった頃、慌てた琴美が、なだめだした。
「ほらほら~、落ち着いてよみちゃん。声がまた大きくなってるよ~。」
「ごっ、ごめん。ついイライラしちゃって。」
琴美の言葉で落ち着きを取り戻した読湖は、露骨にしまったという顔をしてうなだれた。
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