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その様子を見る限り、読湖はあまり落ち着いた性格ではない。
あまりに長い自己紹介からも、自己主張の強さがうかがえる。なかなか難儀な性格だ。
しかし、それらが逆にややきつめな顔立ちを和らげ、愛嬌のある雰囲気にしている。
ちょっとねだられたら、わがままを簡単に許してしまいそう。
お得なヤツ。
そのまま布団の上でじっとしていた読湖が、勢いをつけてガバッと起きあがる。
「あーもう、難しいこと考えるのやめやめ!今日は寝ようそうしよう。明日は明日の風が吹く~。」
グチグチしていたのが、あっという間に立ち直ってしまった。
そして、歌のようにフレーズをつけながら自己中心的で勝手な事を言いつつ、部屋の明かりを消そうとスイッチに手を伸ばした時、急に動きがぴたっと止まった。
微妙に嫌そうな表情をしている。
「うげっ。まさか移ったかな。」
ぼそっとつぶやいた後、気を取り直して明かりを消し、布団に入った。
10秒とたたないうちに、すーすーと静かな寝息が聞こえ出す。
追記。
かなり単純。
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