教頭

3/7

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
    ぞろぞろと全校生徒が体育館に集まる。中には体育が楽しかったらしく、集会で中断されたのに不満を感じている人もいる。     しかし、ほとんどの生徒は何故集会を開くのかわからない様子だ。 もちろん、僕もわからないのだが。     ふと、校長の方を見ると教頭と何か話し合っていた。 校長は少し戸惑っているように見えた。     (どーでもいいから早く終わんないかな…)     全校生徒が整列を終えると校長が壇上に現れた。     「皆さん、いきなりの集会で戸惑っているかと思います。しかし、教頭が大事なお話があるそうなので…教頭、お願いします。」     そういうと校長はゆっくりとその場を後にした。 どうやらこの集会の意図を校長も知らないようだ。     すると今度は教頭が現れた。     「ついにこのときが…」     化学教師がぼそりと呟いた。 その顔は喜んでいるように見えた。     「諸君、今日集まってもらったのは他でもない。私の提案を聞き、賛同してもらうためだ」    (提案??)     まわりが少しざわめく。 授業を中断し、全校を集めてまで聞かせる提案とは何なのか。 あれやこれやとみんなが想像し、意見する。     しかし、誰の意見も当たることはなかった。     「その提案だがー…」     「この学園は私がいただくことにした」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加