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『僕ね、時々見えるの。』
僕に抱き抱えられた小さな僕は言う。
『何が見えるの?』
『お兄ちゃんみたいな人。
皆は見えないみたいだけど…
お母さんに言ったら凄いって誉められたの。
でもね、先生に言ったら怒られたの。』
そういえば、先生に怒られたなぁ。
道行く人は別に振り返るわけでもない。
見えてないのかな?
この場合、僕は見えないから小さな僕が浮いてるはず…
ま、良いか。
『ねぇ、お兄ちゃん。僕は変なのかな?』
『…変じゃないよ』
僕がそう言うと、
小さな僕は嬉しそうに
笑った
アパートが見えてきた。
お母さんと
お父さんが居るはずだ
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