†僕が壊れた日†

2/3
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
『僕ね、時々見えるの。』 僕に抱き抱えられた小さな僕は言う。 『何が見えるの?』 『お兄ちゃんみたいな人。 皆は見えないみたいだけど… お母さんに言ったら凄いって誉められたの。 でもね、先生に言ったら怒られたの。』 そういえば、先生に怒られたなぁ。 道行く人は別に振り返るわけでもない。 見えてないのかな? この場合、僕は見えないから小さな僕が浮いてるはず… ま、良いか。 『ねぇ、お兄ちゃん。僕は変なのかな?』 『…変じゃないよ』 僕がそう言うと、 小さな僕は嬉しそうに 笑った アパートが見えてきた。 お母さんと お父さんが居るはずだ
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!