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その内の一つ、『火山情報』をクリックする。すると、今日のマグマの様子や、有感・無感を合わせた低周波地震の震源地、回数、マグニチュードが現れた。
――やっぱりそうか。それらを確認しつつ、武田はインターネットを切った。
そんなとき、パソコンの横に置いてあった携帯電話の着信音が聴こえてきた。
その名前を確認すると、武田は「愛子か?」と電話に出た。
川崎愛子(かわさきあいこ)。登山家で、静岡県と山梨県の県境に聳える山、富士山を始め、日本の山をこよなく愛する。また、来月には武田との結婚も約束されている、婚約者でもあった。
『ええ。今、どこにいる?』
「静岡だよ。明日の朝には新幹線で東京に帰る。そっちは?」『もうすぐ御殿場。何回登っても、富士山は楽しみだわ』
愛子は、今日から富士山に登る。
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