小さな町の目医者さん

一番良い時期

83歳のおばあちゃんと、67歳のおばちゃんが、たまたま待合で隣り合わせに座りました。
勿論、初対面。
他に患者さんも少なく、大きな窓からは、秋の高い青空と、刈り取られた田んぼ、風に揺られるススキが見えています。
絵に書いたような、のどかな一日です。

天気の話題から始まり、お互いの年齢の話。
60台のおばちゃんが
「歳は取りたくないですネェ、あっちこっち悪くなって、嫌になるわ」
と言いました。
良く聞くセリフ。
言う方も、聞く方も、そうねぇって、頷き合うかと思いきや…。
おばあちゃん、居住まいを正し…。
「あなた！60代が一番良い時よ！勿体ない！体も動く、子供は手が離れる、旦那の介護もいらない。今よ今！」

歳を取るのが、ちょっと楽しみになったヒトコマでした。