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屋根の吹き抜けた教会に一人の少女が佇んでいる
そして少女は思う
私の命はもうすぐ終わりを迎える
初めて心から愛したあの人が、私を殺しにやって来る
私を殺すためだけにやって来る
それはとても悲しいこと
けど、もう悲しみに涙することが私には出来ない
今の私にとって、全てはただの言葉としてしか意味を持たないから
私はまだ覚えているのかな
あの人と出会った日のことを
あの人と過ごした、ほんの僅かな時間を
とても満たされて幸せだった あの頃の事を
その全てを私は思い出として優しく抱きしめ、慈しむ事が出来るのかな
一色で塗り潰されてしまった心ではもう何も分からないよ
ねぇお願い
神様がいるのなら、私に少しだけ時間をください
あの日だまりのように温かった日々を思い出すだけの時間を・・・・・
私の最後のわがままを、どうか許してください
お願い、ショウ
もう少しだけ、私に時間をちょうだい
あの日から始まったんだよね・・・・・わたしたち・・・・・・
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