~ 弐 ~

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 彼の様子だと、どうやらお互い納得の上で別居することになったようではありませんでしたから。  追い出されたか、彼が自ら家を出たか。どちらかは、私は解りませんでした。  ただ後者であった場合、あの方は彼のいない生活というものに、どう向き合っておられるのでしょう。 「そうだな。お前になら、話して良いかもしれぬな」  その頃には、彼と私の間に敬語というものは無くなっており、同じ年頃の少年同士の会話を交わしておりました。  いえね、私は自分の年齢が解っておったのですけれど、彼は知らなかったので御座います。
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