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私も一人で暮らしていた身。父も母も兄弟もおりませんでした。
けれども家と財はありましたので、それなりの生活は送れていたわけです。
彼一人住まわすのは困難ではなさそうでしたので、私はその冬を彼と過ごすことに致しました。
私は尋ねてみました。
「何かあったのですか。あの方とは、住まないことになったのですか」
二、三度あの方を見たことが御座いましたが、私たちよりは幾分か、そうですね、十ほど年上のようでした。
身よりのない子供を一人、養えるのも当然といったような着物をお召しでした。
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