~ 弐 ~

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 彼が言ったとおり、金は私に毎日きちんと支払われました。  私としましては、そんなにきっちりと払ってくれなくとも、と思っておったのですが。  そもそも身よりの無い彼は、どこに金のあてがあったのでしょうか。  私は全く知りませんでした。 「いいのですよ、無理に払って頂かなくても」 「いや。こちらは世話になっておる身ですから」  何度言ってもその一点張りで、彼は聞こうとしませんでした。  そうして、二週間ほども共に暮らせば、何となくではありますが、彼の性格が解ってきたような気が致しました。
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