~ 弐 ~

3/11
前へ
/94ページ
次へ
 例えば、金に関して以外でも、几帳面だということ。  魚を食べるときは、骨すらも残らないほど丁寧に食べておりましたし、 毎日軒先を、塵の一つも落ちていないほど綺麗に掃いてくれておりました。  そのことも彼に言わせれば、世話になっているからには、の一言で済まされるのですが。  そして、寡黙な彼でしたが、時には興味深い話をしてくれました。  私が読んだことの無い書を、彼が空で語ってくれたときには、それはもう驚きましたよ。  そうそう、字も達者で、私が書を写すのを手伝ってもくれました。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

328人が本棚に入れています
本棚に追加