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授業が全て終わった。私は茜と黄衣絽に「また明日♪」と別れを告げ、帰りのバスをバス停で待っていた。
ブロロロ……
バスが来た。
すると、朝と同じ右側の後ろから三番目の二人が座れる席が空いていたので私はその席に座った。
しばらくバスが走っていると、田三高校前で止まった。そのバス停から1人の女子高校生が乗って来た。
「藤田さん♪」
私は彼女に気付き、嬉しさの余り声をかけてしまった。
すると、藤田葵は
「あれ?また会ったね」
とニッコリ笑った。彼女は私の隣に座った。
「また会いましたね!藤田さんは…」
と言おうとした時、
「何歳?」
と藤田葵は聞いて来た。
「まだ15歳です…けど」
と答えると
「じゃあ、タメじゃん!葵でいいよ。俺も緑ちゃんって呼ぶからさ。」
と葵は言った。
「あっ、はい!…珍しいですね。女の子なのに自分の事を俺って言うなんて…」
と何気なく疑問をぶつけた。
「えっ!あぁ…クセみたいなもんだから」
と何故か慌てた様子で葵は答えたが、私は別に気にしなかった。
「…風邪、大丈夫ですか?」
と私が聞くと
「ん?あぁ、風邪?治ったよ。」
となぜか彼女は自慢気に答えてくれた。
それから私達は、その帰りのバスでいろいろな事を話した。
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