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―正義―
「何なんだよ! 全く!」
カラスのジュイは怒りながら空を飛んでいた。
老犬のルードとミキが子猫の前で楽しそうに話していた。それを見てジュイは腹が立ってしまった。
面白くない。だから、喧嘩をふっかけた。ルードは相変わらず何もしない。
それに更に腹が立っていつも以上に喧嘩をふっかけたのだ。ミキに見事返り討ちにされてしまったが。
何気なく下を見ると、ルードといつも一緒にいる子猫が一人で遊んでいた。
あの子で憂さ晴らししてやろうとジュイは子猫の前に降りた。
「何してるんだ? 俺が一緒に遊んでやろうか?」
「良いの!? 私はユキって名前なの」
子猫は本当に嬉しそうにジュイを見た。ヒトを全く疑っていない純真な瞳だった。
それを真っ正面から見てしまったジュイはグラッとしてしまった。罪悪感が押し寄せてきて思わず言ってしまった。
「おう! 遊んでやるぜぇ!」
「本当!」
子猫のユキは嬉しさで瞳を輝かせた。
「おうよ!」
日が暮れるまでジュイとユキは一緒に遊んだ。こんな日も悪くないとジュイは思った。
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