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『お疲れさまでした~』
『お疲れさん!明日は休みだからみんなゆっくり体を休める様に!』
『は~い!!』
夕暮れ時の学校のグラウンドに響き渡る声。
その日 私たちは部活を終えて帰宅しようとしていました。
『先生さよなら~。』
『さよなら~。』
『おう!明日はゆっくり休みな!あぁでも宿題があるから休めないか♪』
『あはは~先生のいじわる!まぁ確かにあるけど…。』
『私はもうすぐ終わるもん!』
『あはは!まぁ今までサボってた分頑張れよ!』
…そんな先生と生徒たちの会話を聞きつつ、私はタオルで汗を拭いていました。
『裕里~。』
『あ。有紀!』
向こうから手を振りながら友達の有紀(ゆき)が走ってきます。
『お疲れ~!』
『お疲れ!はいこれ♪』
有紀が冷えたジュースを差し出してきました。
『わぁ!ありがと~♪どしたの?これ。』
『向こうで先生が配ってたよ♪頑張った皆へのご褒美だってさ♪』
『マジ?やったぁ♪ホント先生が顧問でよかったね!』
『うんうん♪怒った時は怖いけど優しいもんね♪』
私は裕里(ゆり)。高校2年生。そして同じ部活でクラスメイトの有紀。私たち2人が入ってるテニス部の顧問は優しいけど時に厳しいちょっと男まさりな先生でした。親しみ易くて生徒から人気のある先生だったので、私たちは心から喜んでいました。
プシュ。ごくごく…。
『麻菜たちもう終わったかな?』
先生にもらったジュースを飲みながら有紀が口を開きました。
『ん~どうだろ?とりあえず教室行ってみよ。』
『うん。じゃあ早く着替えなきゃね!』
タタ…。
『あ!いたいた!裕里!有紀!』
『あ!麻菜!』
嬉しそうに走ってくるのは友達の麻菜(まな)。
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