記 -dreams- 憶

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キーンコーンカーンコーン…。 18:00。 全ての授業が終わった。 といってもこれで帰れるわけではなく、次の時限より"自習"が開始される。 1時限につき60分で構成され、3コマ分にわたる自分との戦いだ。 ただこれは強制ではなく、帰りたい奴は帰ってもいいのだが、早く帰ってもすることがなく、家の中に居場所の無い俺にとっては、最終時限までの居残りもまた、"日課"だった。 その間、勉強しているかどうかは別にして。 自習はその名の通り、自習室で行われる。 よって授業終了後は教室を移動する必要があり、横で俺をせかしながら待つ佐野を軽く無視し、鞄を持った俺は立ち上がり、階段へ向かった。 「ったく。エレベーターくらいつけてほしいよな。重い鞄持って5階まで上がるのも一苦労だぜ。」 『古いからね、この校舎。実際、存続も危ういんじゃない?』 「空調も調子悪いし。8月なんて大変だったよな。空調が軽く爆発したって話だぜ。どんな操作してんだよってね。」 『……つッ!?』 佐野の愚痴を聞きながら、そんなもん経営者に言えよと言おうとしたが断念。
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