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再び"アレ"がきた。 後頭部を鈍器で殴られたような…突き抜ける痛み…。
「…大丈夫か?お前…。」
心配そうに俺を見る佐野。
俺は痛みで立ち止まり、壁に手をつく。
無言で俺より2段高い位置に居る佐野を見た。
そしてその先を…。
『…。』
セーラー服の少女が、佐野の向こう、踊り場から俺をじっと見下ろしている。
佐野も気付いたらしい。俺と同じ方向に視線を向けた。
「もう…少しだから…。」
『…何?』
俺の返事も虚しく無視され、少女はスッと階段を上がっていった。
佐野は唖然としている…見とれてんのか…?
やがて痛みが消えた。
何なんだ…一体…。
その日の自習時間が始まったが、全く集中出来なかった。
あの少女のことが頭から離れない。
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