記 -dreams- 憶

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彼女は何か知っているような口ぶりだった。 何を…? "もう少しだから" これの意味するところは? 頭痛…風邪じゃないのか…? あの子はどこに行った? 確かに階段を上がっていった。 そしてこの自習室に…居ない…。 くそ…めちゃくちゃだ…。 やがて思考は行き止まりに到達し、それ以上の可能性を思いつかなかった。 することがなくなったが、どうにか時間を潰す必要がある。 諦めて目の前の課題を終わらせることにした。 が、やはり長続きするはずもなく、20分も経った頃には、俺は立派なドリーマーに成り果てていた。 ―雪…が降っている…。 ―真っ白な足元…。 ―足を動かすと、キュッキュッと音が鳴る。
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