13人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「おい聞いてんのか?」
『聞いてるよ。ガ○ダムだ…ろ…ッ!』
上履きを棚の指定位置に戻し、自分の靴に手をかけた時、軽い痛みが頭に響いた。
「どうした?」
『いや…頭痛が…。』
「ほらみろ。睡眠不足が原因だ。帰ってすぐ寝ろ。」
『ほむ…ん?』
「今度は何だ…?…あの子がどうかしたのか?」
俺と佐野の共通する視線の先には1人の少女が居る。
整った顔立ちに紺のセーラー服。丸く大きな眼には優しさの光が見え、ツヤのある漆黒のセミロングをたなびかせながら…。
回りくどいな。
要は可愛かったんだ。うん。
「高校生…いや、中学生か…。お前さんも目ざといな…。」
彼女は真っすぐに俺達の横を通り過ぎて行ったが、その眼がずっと俺と合っていた事を知るのは、彼女と俺だけだろう。
「お前、年下に興味あんの?確かに可愛かったけど。」
最初のコメントを投稿しよう!