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黙っておこう。
少々気になりつつも帰路についた俺達は、途中で道草を食うこともなく、それぞれの家に帰った。
ちなみに佐野家は俺んちの3軒隣。
適当な挨拶を交わし、長き日の戦友と別れ、安らぎへの扉を開き、これまた適当な常套句を発した。
「おかえりー。」
母が奥のリビングから返事を返す。
丘宗家は現在3人で構成されている。
内訳は、母、俺、弟。
親父は俺が中学2年の頃にどこかに行ってしまった。
幼い頃から親父をたいそう嫌っていたため追う事もしない。
既に用意されていた夜食を胃に流し込み、風呂に入った。
『頭痛はあの1回だけ…か。それにあの子は前にどこかで…。思い出せん。まあいいか。』
風呂からあがり、ドライヤーで髪を乾かしながら佐野の言葉を思い出した。
たまには…ね、という意見で俺自身の脳内首脳会談も全会一致で可決され、その日はすぐに眠りについた…。
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