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ピピピピ……バチン!
壊れそうな勢いで脳天チョップを受けた目覚まし時計は、ただの時計に帰した。
昨晩は早めに床に就いたせいか寝覚めがいい。
今朝はこのまま起きることを決意し、リビングに向かう。
誰も居ない。
当然といえば当然だ。
母は仕事、弟は学校に行っている。
テーブルに置かれたパンをほおばり、着替え等の準備を一気に済ませた。
『さて、行くか…つッ!』
またあの頭痛だ…。
今度のは少し強い。
何だこれ…疲れじゃなかったのか…。
頭痛は治まる兆しを見せない。
かといって予備校を休むわけにもいかない。
しぶしぶを玄関の扉を開けた。
『まぶい…。』
「何語だ…?」
佐野がチャリを跨ぎ止っている。
"よっ"といういかにも若者らしい挨拶をした。
『よう…この頭痛はお前のせいか…。』
「失礼な奴め。って、まだ治ってなかったんだな…。」
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