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  闇に紛れる黒馬は走る   速達を旨に館を目指し   雷雲厚く行く手を阻む   見張りの者は顔を顰め声を荒げる   嵐の予兆だ。今宵は荒れると       激しく叩かれる門戸の音は訪れを告げる   雷鳴の如く   固く閉じた扉は開かれ   その刻印の故に引き裂かれた手紙   風に飛ばされ闇夜に躍る      アルレッキーノ 一片を拾い道化は嘲う   奇妙に唇を歪ませて     貴き紋章は地に落ち踏みにじられた   宴が始まる   準備を済せな   せいぜいあがけ   全てを闇が飲み込む日まで
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