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剣は身体を貫き
地面を縫い付ける
まるで標本の蝶
翼があれど帰れぬと
空を見上げ
焦がれるあまり
赤黒く染まった翼
動かしもがく
動けない癖に嗤えてくるのは
終末を待ち望む性の所為か
視界を赤く染める
垂れ流れたままの警鐘は
日常に紛れた雑音に似て
意識の外で
悲鳴に似た狂喜の哄笑を掻き消す
その音が途切れる時
世界は終わる
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