終わった人生

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気がつくととても体が軽かった。 なんて言うか…行ったことはないけど宇宙にいるような、無重力状態って感じ。 ゆっくりと目を開ければ永遠と続く星空。 手を空にかざしてみれば手は向こう側にある星の輝きを移しだしていて… つまりあたしは透けていた。 なぜ? それが一番の疑問であり、今世紀最大の謎だと思った。 おまけにあたしは浮いていて、下は何やら騒がしい。 よくよく見ればどこかで見たような十字路、それはまさに自分の近所の十字路だった。 周りには人だかりが出来ていて、真ん中あたりには一人の少女が車に跳ねられたのか頭から血を流して倒れている。 初めは遠くに聞こえた救急車のサイレンも確実にこっちに向かってきていた。 ありゃ即死だなぁと思いながら近寄ってみればそこか見慣れた制服、見慣れた髪型、見慣れた…顔 ……あれ、あたしじゃん!! やっと自分が死んだ事を自覚したあたしは今までまるで他人ごとのように見ていた自分に軽い羞恥心を覚えながら、見ていると誰かがあたしの体に駆け寄ってきた。 「ーーっ!!」 それは自分の母親で、真っ青な顔をしながら泣いていたその表示は一瞬誰かわからなかった。 ‘泣かないでよ、お母さん…’ そう言ってあたしは母親の肩に手を置こうとした。 .
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