終わった人生

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見上げてみれば真っ白な大きな壁と門。 おそらくこれがあの世この世の境目なのだろう。 バイクはゆっくりと進めば門の前で待っていた人に引き止められる。 どうやら女性のようだ。 「えっと…“燕[ツバメ]”所属のユキですね。 7月3日18時34分55秒No.12584654番地でトラックにひかれ死亡した少女、天宮皐の保護を確認。 黄泉への入門許可します。 ようこそ黄泉へ。」 そうして柔らかい笑みをしてその女性は私に微笑みかけた。 ワンテンポ遅れて私も会釈をすればバイクは更に奥へと進む。 しばらく何もない道を進んでいると何か視線を感じる… いや、あの門に入った時から感じていた。 いくつもいくつも、いくつも‥ まるで体の内部まで観られてるような…一度気づけばまた無視できるようなものではなかった。 気持ち悪い その様子に気がついたのか彼(あの女性はユキと言っていた。)は私に声をかける。 「あー、やっぱり皐ちゃんなら気付くか。もともと周りに敏感な能力してるからね。 大丈夫、目には見えないけどあの方々は天国と地獄の審判員。一応皐ちゃんの素性や今までの前世を調べているだけだ。」 そうしていくうちに視線は消えていった… ちらほら街並みが見えてくる。 いや、見えてくるって言うかここは… 「東、京…?」 建物が増えていくにつれよくよくみれば見たことのある建物ばかり。 「まぁ黄泉の国ってのは見た目は現世とそう大差ないからな。」 何だかイメージしていたものと全く違っていた。 しばらく見慣れた街並みを見ていればバイクが止まった。 見上げればとてつもなく大きな建物。 見上げれば一番上が見えない。 「ここが死神本部だよ。」 私はなぜこんな所にいるのだろうか? .
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