終わった人生

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「それより詩炉…そこの人間に気づいているんですか?」 私はギクッと肩を震わせたが響は私の方に目も向けないで詩炉という人に淡々とした口調はなしかけた。 「あぁ…この子レベル1に襲われてたんだよ。 でもいくらなんでも俺達は見えねぇだろ?」 詩炉がこっちを見るとしっかり私と目があった。 すると少し顔を青くさせて響に聞いた。 「き…響もしかしてこの子……」 私の方を指差している。 「見えてますよ…僕達のこと。 ‥そうですよね?」 同意を求めてこちらに顔を向けた彼はたれ目で寝不足なのか黒ずんだ隈があり、血のような真っ赤な目がとても印象的だった。 …じゃなくて、こういう“人じゃない”ものに関わって良い思いをしたことがない私はとりあえず聞こえてないふりをしておこうと考えた。 「いっ‥一体なんだったんだろうなー? あ、早く家に帰らなきゃー。」 「しっかり会話も聞こえているようですね。」 今日ほど自分の演技力の無さを呪った日はない。 .
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