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しかも情けないことに腰が抜けて歩けないときた。
それを知ってか知らずかずんずんと詩炉が近づいてくる。
…どうすればいいのだろうか?
ガシッ!
「えっ?」
あれこれ考えいると手を握られた。
この時私はやっぱり人じゃないんだと確信する。だってその握る手は死人のように体温を感じられなかったから。
詩炉は私の手を握ると顔を明るくした。
…近くで見るとかなりの美形。
「やっぱり触れる!君相当霊感強いんだな!!」
そんな笑顔になられると男慣れしてない私は顔を赤くするしかない。
「えっ…あぁ、はい……」
美形を前にしてる上に状況が上手く掴めてない私はそんな抜けた答えしか返せなかった。
しかし詩炉は気にすることなく話を勝手に進めていく。
「いやぁ、君がそんなに強いとは思わなかったな‥
でも“こっち”に来るのはまだまだ先の話だし、まぁ君が来るのを楽しみにしてるぜ!」
そう言って私の頭をガシガシと撫でる…というより髪をぐしゃぐしゃにした。
そして子供みたいな無邪気で綺麗な笑顔はどうにかならないのだろうか?
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