🌸春🌸

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─……いろんな思い出があったね。でも私は忘れないよ。 楽しかった。君がいたから、怖くなかった。 …─春─… 桜が舞いふる中で私は転んだ。 『うぇーん……』 三谷原 明海(みやはらあけみ)、小6になる私。 入学式の朝、転んでしまった。 泣き虫な私。 でも、君がいたから泣き虫な性格はなくなっていったよ。少しずつ……。 「なにやってんの!?」 私を助けた親友の 佐月 瑠璃(さつきるり)。 「転んじゃったよぉー…痛いよー…るりぃ…。」 「もう!!ほら、さっさと立って。」 「う…うん。」 二人で一緒に歩いて学校に着いた。 「わ─桜がキレイ!」 「そうだね!」 ヒラヒラと桜が舞いふっている。その桜が私達を祝っているように見えた。 「よし!クラス表を見よ!」 瑠璃がそう言った。 明海は うん。 とうなずいた。 クラス表の前は人だかり。 「瑠璃、遠くて分かんないよ。」 「大丈夫!!待ってな!!」 瑠璃は明海より背が高くて、視力が良かった。 「お~!私達、また同じクラスだよ!!良かったな明海!!」 「やった~!」 瑠璃は小4の時に明海のクラスに転校してきた。 明海から話しかけ、瑠璃とはなしているうちにだんだんと仲良くなっていったんだ。 クラスを確認した二人は自分の教室へと行った。 「えーと…6年2組………」 《6年2組》とかかれた教室に着いた。 「あっここだよ~!明海!」 「あった~!!」 二人は教室に入ってすぐ黒板の方に目がいった。 紙一枚がはっている。 「自分の席の場所だ!」 「本当だ!」 「えーと……一番後ろで右から二番目だよ~明海は……私の隣だよ!イェ~!!!」 「やった~!!」 二人は自分の席へと行った。 ランドセルを降ろし、始業式へ向かった。 「…えー…ただいまから始業式を始めます。はじめに、転校生を紹介します。」 おー!! だれだー!? と一気にいろんな声が聞こえた。 「静かに!!……えー北海道から来た女の子の三奈月桜(みなづきさくら)だ。」 『へぇー…桜って言うんだ…。…かわいい女の子だなぁ…。』 明海はどこかで、桜という名前を聞いたことがあるような気がした。 「転校生は6年2組のクラスに入ります。」 『ぅんぅん……って…え!!??一緒!!??』 「ねぇ…明海……一緒のクラスだよ。」 「ぅん。ちょっと楽しみ!」 二人はコソコソと話した。
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