1人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
─……いろんな思い出があったね。でも私は忘れないよ。
楽しかった。君がいたから、怖くなかった。
…─春─…
桜が舞いふる中で私は転んだ。
『うぇーん……』
三谷原 明海(みやはらあけみ)、小6になる私。
入学式の朝、転んでしまった。
泣き虫な私。
でも、君がいたから泣き虫な性格はなくなっていったよ。少しずつ……。
「なにやってんの!?」
私を助けた親友の 佐月 瑠璃(さつきるり)。
「転んじゃったよぉー…痛いよー…るりぃ…。」
「もう!!ほら、さっさと立って。」
「う…うん。」
二人で一緒に歩いて学校に着いた。
「わ─桜がキレイ!」
「そうだね!」
ヒラヒラと桜が舞いふっている。その桜が私達を祝っているように見えた。
「よし!クラス表を見よ!」
瑠璃がそう言った。
明海は うん。 とうなずいた。
クラス表の前は人だかり。
「瑠璃、遠くて分かんないよ。」
「大丈夫!!待ってな!!」
瑠璃は明海より背が高くて、視力が良かった。
「お~!私達、また同じクラスだよ!!良かったな明海!!」
「やった~!」
瑠璃は小4の時に明海のクラスに転校してきた。
明海から話しかけ、瑠璃とはなしているうちにだんだんと仲良くなっていったんだ。
クラスを確認した二人は自分の教室へと行った。
「えーと…6年2組………」
《6年2組》とかかれた教室に着いた。
「あっここだよ~!明海!」
「あった~!!」
二人は教室に入ってすぐ黒板の方に目がいった。
紙一枚がはっている。
「自分の席の場所だ!」
「本当だ!」
「えーと……一番後ろで右から二番目だよ~明海は……私の隣だよ!イェ~!!!」
「やった~!!」
二人は自分の席へと行った。
ランドセルを降ろし、始業式へ向かった。
「…えー…ただいまから始業式を始めます。はじめに、転校生を紹介します。」
おー!! だれだー!?
と一気にいろんな声が聞こえた。
「静かに!!……えー北海道から来た女の子の三奈月桜(みなづきさくら)だ。」
『へぇー…桜って言うんだ…。…かわいい女の子だなぁ…。』
明海はどこかで、桜という名前を聞いたことがあるような気がした。
「転校生は6年2組のクラスに入ります。」
『ぅんぅん……って…え!!??一緒!!??』
「ねぇ…明海……一緒のクラスだよ。」
「ぅん。ちょっと楽しみ!」
二人はコソコソと話した。
最初のコメントを投稿しよう!