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『……おい、お前』
深夜。心地よく眠る俺の頭に、声が響いた。
『……聞いてんのか?』
…………誰だろう。この家は俺以外、誰もいないはずだ。
『おいって!』
泥棒か? ここは寝たフリをするべきなのか? ……いや、そもそも泥棒なら普通、ターゲットの家の住人をわざわざ起こすだろうか?
『…………』
ん? 諦めたのか?
『ヘイ、ユー!』
英語できちゃったよ!
まさかの外人!?
『ヘイ、ボーイ! 起きろボーイ!!』
何故か起きろだけ日本語だ。頭が悪い泥棒さんなんだなきっと。
『起きろっつてんだ! バカヤローがっ!!』
「は、はいっ!」
思わず飛び起きてしまった。――が、辺りには誰もいない。
『お! やっと起きたか』
だが声は聞こえる。……なんか怖くなってきたぞ……寝よう。
『――ておい! 二度寝すんな!』
おいおい、まだ聞こえるよ。どうしよう。……………神の声だと思おう。うん、そうしよう。
「神様。俺、最近つかれてるんです」
『うんうん、学生はつかれるよな』
「そうなんです。もう色々と」
『勉強とかストレスたまるもんな』
「いえ、なんか幻聴とか聴こえるし、イャンクックは倒せないし……」
『………PSP?』
「はい、2ndなんですけど」
『イャンクックはねぇお兄さん……尻尾に気をつけて……』
俺は何故か、神様とカ○コンの某ハンターゲームの話で盛り上がっていた。
『だよなー。カプ○ンのモンハンは神だよな』
「うんうん。俺シリーズ全部持ってるし」
『オレもオレも』
神様ってゲームするんだな。意外だ。
『――あ、そうそう。名前おしえてくれよ、名前』
「え? 神様なら俺の名前くらい知ってるんじゃ……」
『はぁ? 誰が神様? てかこれからオレもここの住人だから、仲良くやろうぜ』
…………はぁ? いやいやいや。
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