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わけわかんねぇから。なに勝手に決めてくれちゃってんの?
「神様……だよな?」
『だから違うって』
「いや、だって見えなくて声だけ……」
――とその時、耳元でブーンと音がした。
『ここにはライバルもいないからな。快適とまではいかないが、それなりに心地いい』
ムカつくヤツだな。姿が見えればぶっ飛ばしてやるんだが。
そこで、電気をつけてみたが、やはり誰もいない。
『ここだよ、ここ』
声のした方に目を向ける、とそこには、黒く小さな何かがせわしく飛び回っている。
『ハッハー! やっと見つけたかこの野郎――てなにすんだよ!?』
チッ……はずしたか。だが、次こそは――
『な!? そ、それは!!』
プシュー
くそっ! またはずした! ちくしょう、ちょこまかとうっとうしい。
俺は、主婦の味方である赤いアイツを構える。
「今度こそ……終わりだあァァァッ!!」
『や、やめてくれェ! 俺に忌まわしきそいつを向けないでくれェ』
俺は容赦なくアー○ジェットの引き金を引く。
プシュー
命中した。
「……南無阿弥陀仏」
この時、まだ俺は気付いていなかった。この出会いが運命を変えるきっかけになることを。
てか、蚊がしゃべんなよ。
――mosquito――それはいきなりやって来た。災難という名の害虫。
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