My fate is...

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「…お前、なんたってあんなトコに居たんだよ―」 拭き終わると、少年はあたしの頭を撫でた。 少年の純粋な笑顔。 でも その笑顔で 癒される事はなかった。 …真白…―― ライは俯く。 置いてきた親友が気になって 頭から離れない。 今、真白はどうしてるのかな… 「……ニャー…」 ライは零れそうな涙をこらえた。 少年はあたしの鳴き声に驚いたのか、少し目を見開く。 「なんだ?お腹すいたのか?それとも寒いのか?」 少年は慌てたように、あたしに話しかける。 コンコン。 ドアを叩く音が垂れ下がった耳に入った。 「失礼いたします、連夜様。こちら、小猫のミルクです」 メイドの服を着た女が、少年に器を渡す。 少年が受け取ると、その弾みで少しミルクが飛び散った。 メイドが出ていくと、あたしの前に高級そうな器が置かれる。 「ちょうどよかった、ほら。ミルクだ、飲みな」 少年が勧める。 だけど、気分じゃなかった。 お腹は空いてるけど…。 なんだかわからない、胸の真ん中の締め付け。 気が引ける。 ……人間から…なんて。
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