My fate is...

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「……?どうした、飲めよ」 少年はライの顔を覗きこんだ。 しかし、ライは一向に口をつけようとしない。 「……?」 少年は首を傾げる。 ライは床に軽く爪を立てた。 …人間界には 来てみたかった。 でも 人間を好きなのとは 違う。 「…おい…?」 「……ッ…――」 たくさん見てきたから。 人間に 殺された仲間。 人間界で死んで、 何匹も何匹も 猫界に変わり果てた姿で戻ってきた。 …許せなかった。 「……腹、減ってるわけじゃねぇのか?」 ライは少年を見上げた。 必死にあたしに話しかけてる。 人間界に来たのは 人間ってものを 確かめるためでも あった。 「……――」 大きな部屋は静まり返って、時計の秒針が刻む音だけが…残った。 猫人のあたしにも、そんな人間の血が流れてたりするの…――? だから ライは鳴るお腹をグッとこらえていた。 …だから、 人間の世話に、なるなんて……! ライはミルクの水面に映る少年を睨んだ。 きっとこの少年だって、そんな人間なんだ…―! ポン…
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