My fate is...

3/17

395人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
真白を… 親友を、残して来てしまった。 いや、捨てられたのは…あたしの方だったのかもしれない。 ケンカしたのなんか 初めてで… どうすればいいの…? 「……――ッ―…」 嫌われたくなんか なかったのに…! ライは側の電柱に寄り掛かる。 歯を食いしばって、その電柱を引っ掻いた。 雨の寒さに、体が勝手に震える。 「……それでね―…」 どこかしら声が聞こえ、その方向を向いた。 視界は涙で見えない。 聞こえるのは… 水溜まりを歩く音。 人間の女と思われる、複数の高い声。 それは次第に近づいているように、大きくなる。 「…マジあのゴリラ教師なんなワケ!?って感じ!!」 「ほんと…って、あ!」 あたしに、一つの影が落ちる。 「カワイー…捨て猫かなぁ?」 そう聞こえたかと思うと、体がふわりと浮いた気がした。 「やめなよ―。 綺麗な猫だけど、あんたのママ動物アレルギーじゃんか」 「あ―、そぉだった! どうしようかな」 これが…人間。 ライはぼやけた眼を擦り、自分を抱き抱える人間を見た。 自分のもう一つの姿と ほとんど変わらない…。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

395人が本棚に入れています
本棚に追加