My fate is...

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「あ、じゃあアノ場所に連れていこ!」 「え?どこ?」 人間はあたしを抱いたまま、歩き始めた。 人間がさしている傘のおかげで雨に濡れず、毛も微かに乾いた。 …人間。 暖かい、腕…。 「ほら、ここ」 「え、こんな所に!?」 ライは閉じていた瞼を開けた。 みると、檻のような鉄格子があった。 地面には芝が敷かれ、水を弾いている。 「……――」 ああ、 やっぱり。 結局は捨てるんだ… まぁ人間に救われる気なんてさらさらないけど。 人間はあたしにその鉄格子をくぐらせると、手を振り帰っていった。 「……――」 捨てられたのは これで 何度目かな…。 雨に再び打たれ、芝の上に倒れた。 人間って、あーゆう生き物なんだ。 ライは目を閉じようと、瞼を浅く落とした。 人間界なんか 来なきゃよかった…―― 雨は 降り続ける。 近付くのは 石と地面が擦れるような…足音。 「なぁ」  
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