My fate is...

6/17
前へ
/29ページ
次へ
少年とあたしは屋敷へ入った。 雨風のせいで、ドアが強くしまる。 少年が微かに濡れた服を手ではたいていると、一人の老人が現れた。 「連夜様、お帰りなさいませ」 深々とお辞儀をする、執事のような風体の人間。 「ただいま、じい」 少年はにこやかに話す。 「おや、連夜様。 その小猫はどうされたのですか?」 老人は立派な白い髭に隠れた口をモゴモゴさせ、あたしを見た。 「お―、こいつな。 なんか屋敷の門のトコに居たんだ」 ……屋敷の…門? ライは、なにかに気付いた。 「……――」 もしかしてあの人間達は…―― 「―…飼われるので?」 「ああ!なんかわかんねぇけど、ピンと来たんだ!!」 少年はあたしに屈託のない笑みを向けた。 「……ッ…――」 あたしは少し 目を逸らした。 「かしこまりました、連夜様。もう遅いですし、ご就寝くださいませ」 「あぁ、おやすみじい」 少年は屋敷の廊下を走った。 「…おやすみなさいませ」 ガチャ… ドアを開けると、部屋が広がっていた。 しかもかなり広い。 「…ほら。 ここがお前の部屋で、俺の部屋だよ」 少年は、さっきのじいと言う人から貰ったタオルで、あたしの体を拭く。 毛の水滴が拭かれて、不快感もなくなった。 …気持ちい…。  
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

395人が本棚に入れています
本棚に追加