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【神崎】が近くまで来たのを確認すると、片手で頭を掻きながら【鮎川】が話す。
『そろそろ忘年会だろ?今年はどうする?』
毎年、会社では忘年会の費用は各店に振り当てられる事になっている。後輩達も、金の面では心配いらないが少し前に予約を入れておかないと、時間がプライベートな時間と重なると困るだろう、という【鮎川】の配慮であった。
(もうそんな時期か……。早いな)
【神崎】は月並みな台詞を頭の中で呟きながら、時計のすぐ横にあるカレンダーを見た。
『店長に任せますよ。俺は時間大丈夫ですから』
【神崎】はそう言って席に戻ろうとした。【鮎川】はまた何か言おうとしたが、店内で最も歳の若い【水野】が先にそばに現れ唐突に【神崎】へ話しかけた。
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