第一話・ヲタヶ原前夜祭

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『兼続、石田殿から何時もの郵便物が来てるよ』    一つ屋根の下にいるのにほとんど口をきかずメールで会話してくる主君に呼び出され、直江兼続は服にトーンの切れ端を付けたまま玄関に出た。  石田は兼続が携帯普及前にア●メージュの文友募集コーナーで出会った文通相手で、今だに時々こうやって作った同人誌を送りあったりする友人だ。最近は互いのサイトのお絵描きチャットにハマっている。  受け取った郵便物はB5サイズのエクスプレス。間違いないこれは…DOU★JIN★SHI! 「石田の奴、今はジャンルが種だったな」  中身を開くと表紙がマット加工の某数年前に土曜夕方6時にやってたアレな同人誌と手紙出てきた。  石田はオフ本の時は何故かマット加工にこだわっている。  マット加工とは艶を消してしっとりとした質感に仕上げる加工の事である。
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