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「おいし~い!これ全部柳瀬さんがつくったの!?」
「ええ、今日のは自信作なんです」
「本当、おいしいわ!」
ああ…なぜこんなことに?
『昼休みも終わりか…』
仲宮先生という援軍をもってしても姉さんの特製弁当は食べきれなかった
のだが…
「霧原君、次って私の授業よね?」
「はい」
「柳瀬さんは?」
「午後は学校の設備等の確認ですが…」
「よし!霧原君、五時限目はサボりなさい」
えぇぇぇぇ!?
「モグモグ…、今日は五時限までだから自習にしちゃって柳瀬さんに学校案内するわよ」
もちろん、このお弁当を全部食べてからね、なんて言いながら教師としてあるまじき発言をする我が担任
これでいいのか…?
「ふぅ、ごちそうさま!」
「お粗末様でした」
げ、限界…
先生がいなかったら今頃俺は肉片と化していただろう…
「さて、じゃあ学校案内ですが…見たい所、ある?」
「とりあえず、空手部の活動場所などが…」
ゾク…!
な、なんだこの悪感は?
「あれ?柳瀬さんは空手部に入部希望?」
「はい、一応」
「なんだぁ、丁度良かったじゃない!じゃあ今日はこのまま部活動に励みましょう!」
明らかに教師として間違ってるよね?
でもまぁ、こんな気はしてたよ…
だからショックなんかじゃないんだ
ショックなんかじゃ…
ショック…
…ガクガクブルブル
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