開始

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 男は悩み続けた。 (このボタンを押すだけで100万ドル……?)  100万ドルもあれば好きなことができる。  しかし、そのボタンを押すということは人を殺すこと。  いや、それさえも本当かどうか分かったもんじゃない。  金持ちの道楽かもしれない。    本当に人が死んだとしても、それだけの罪を犯したと紳士は言っていた。  それに、どうせ名前も顔も知らない赤の他人だしな…… 「まあ、俺がラッキーだったってことだな」   カチッ    男は悩んだ末、次の次の日にボタンを押した。
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