開始

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 そもそも、どうしてこんなまわりくどいやり方をするのだろうか。  わざわざこんなボタンまで作って……殺すだけなら銃なりナイフなりで済む話じゃないか。    紳士はボタンを押せないと言っていた。  押せない理由でもあるのか?    次々と浮かんでくる自問自答。    こんな方法で命を奪われる、その『俺の知らない奴』が犯した罪とは?  よほど特別な悪事でも働いたのかもしれない。  では、ボタンを押すだけで100万ドルも出す理由は?  ……やっぱり、ただのデタラメか。    100万ドルの使い道を考えながらうとうとし始めたとき、急に言い知れない不安が胸を打った。 『その人はある罪を犯しました』   「─────まさか!」
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