距離

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「………あ…」 由梨が指したところには 1体のヌイグルミが転がっていた。 …そのヌイグルミは 暗い部屋でもハッキリと なんのヌイグルミか分かった。 …おれだ…。 そういえば、昨日… 『…じゃあさ…おれのも作ってくれない?』 …あの言葉覚えてたんだ…。 おれはつい微笑んでしまった。  足音をたてずに、 由梨の近くにころがっているヌイグルミを 手に取り、じっくり眺めた。 …細部までよくできている…。 っつーか…おれにソックリだ…。 おれの顔なんてまともに見てねぇと思ったけど…。 すげぇな由梨…。 おれはヌイグルミを見つめながら言った。 「ありがとな」
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