距離

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「…誰からするか…?」 おれは高1のことを思い出しながら言った。 ―…あれから1年か…早ぇな…。 でも、由梨は黙ったままだった。 …自分から誘ったのによ…戸惑ってるのか? 「じゃ、おれからしま~す」 その言葉に由梨は安心したように うなずいた。 「吉田和樹17歳。  おまえと同じ雑賀校に通ってる。  そんでおまえと同じクラス。  そしておまえの隣りの席だ、よろしく」 おれの自己紹介が終えると 由梨はクスッと笑いながら言った。 「…よろしく…」 …お。 …初めて…笑い顔見た…。 めちゃかわいいじゃん。 おれは嬉しくなって 由梨に一歩近づいてみた。 「……いや…」 ―………まだ拒絶かよ…。 おれは落ち込みながらも 由梨の顔を見ながら思った。 ―…確実に由梨に信用されてきてる…  手に握っているヌイグルミを見て、 おれは、また嬉しくなった。
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