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―8時―
おれは珍しく早く家に帰ってきた。
「…あら、和樹…おかえりなさい」
親もビックリした顔をしながら言った。
…ケンカをした後は、
たいてい翔吾の家に泊まってたからな…。
ビックリするのも当たり前か…。
そう思いながら靴を脱いだ時、
玄関に、たくさんの量の靴があるのに気付いた。
「……なんだこの量?」
おれはそう言いながら靴一つ一つを見た。
…全部女っぽい靴だ…っつーことは…。
「今、彩夏のお友達が来てるの」
親のその言葉に、おれは
"やっぱり"と思った。
…部屋行ったらうるさいだろうな…。
おれと彩夏の部屋は隣同士にある。
普段は互いの声とか聞こえないけど
こんなにたくさんの友達が来てるってことは…
…おれの部屋からも筒抜けで聞こえて
落ち着かないだろ…。
おれは、リビングのソファに座って
テレビのリモコンで
適当にチャンネルを変えていった。
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